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「ある弁護士と医者の会話」
「一つ聞きたいことがあるんだが」と医者が切り出した。
「昨日、昔の知人とばったり出会ったんだ。そいつは俺が医者になったことを知ると、最近慢性的な頭痛がするんだが、何が原因なんだろうかって聞いてきたんだ」
「それで?」
弁護士が尋ねる。
「ああ、俺はそいつの背骨が歪んでるのを見て、原因は歯並びにあるんじゃないかと指摘してやったんだ。これは医者への相談だ。つまり、料金を請求するべきじゃないかと思ってな。弁護士としてお前はどう思う?」
「そりゃ絶対請求すべきだな。だってそうだろ、あんたは医療相談というプロの仕事をしたんだから」
「そうだよな。わかった、早速そいつに請求書を送るとしよう」
翌日、医者は弁護士から封筒を受け取った。
中には、5千円の請求書が入っていた。法律相談料という名目で。