―――ある昼下がり


ガラガラガラ・・・バタン。


「うぐっ・・・・・・ひっく・・・・・・ぐすっ・・・・・・」
そのつぶらな瞳は、あふれんばかりに潤わっていた。
「なんだよ、またいじめられたのかよ、お前。。。」
気だるそうに答える。
「あぅ・・・ジャ、ジャ、うっくひっく、ジャっ、っっく」
「あぁわかったわかった、とりあえず落ち着けって、な?今は泣けって。あわてなくていいから。」
「ぅん・・・ありがと・・・っっ」



「・・・・・・で?何?また野球かなんか?」
「・・・・・・・・・・・・・(コクリ)」
「ちょっとなぁ・・・自分でもさぁ、わかるでしょ?合わないってのが?」
「・・・・・・。」
「いいよ、あんなの出来なくったって。あんなのあれだ、学校でさして成績も上げられないようなやつが棒持って、憂さ晴らしするような低俗なゲームなんだって。」
「・・・・・・そう?」
「絶対そうだって。俺は、お前にあんなのがうまくなってほしくないし、出来たらもう二度としてほしくない。」
「でも・・・やっぱりそうもいかなくって」
「とにかく。またあんな変な虫がついてきたら、俺が何とかするから。な?」
「うん・・・わかった。」
「その・・・俺さ、やっぱりお前のことがなんていうかな、えぇと・・・」
「??? 何?」
「いや、なんでもない」
「なんでもないってどういう意味さ?なに?どうでもいいの?」
「ちょ、ちょい待ち、ちょっと、ごめんホントごめん」
「謝ったってことは図星だったの!?」
「いや、ちょ待って、違うんだって、だからそれは・・・」

ガンガンガンガンガン!!
野蛮とも無骨ともいえる、衝撃音が響く。
「おい!早く出てこいよ!負けた罰はあんなもんじゃすまないぜ!」
友情とは名ばかりの、恐怖政治の主が、無情にドアを殴打する。
「・・・・・・ごめん・・・早速頼んでもいいかな?」
「あぁ。どうする?知り合いの地層学者に話通してもいいけど?」
「(なにする気なんだろう・・・)あのさ、もっと普通でいいよ。。。」
「・・・・・・OK」
―――パチン。
消えた。


さっきまで野太い腕の運動に従事していた者は、確かに消失した。
彼が何かを鳴らした、まさにその刹那に。
「・・・え?」
「こんなもんでどう?それとも痛がる顔とか見たかった?」
「え、いや、あの、なんというか、彼はどうなったのかな、とか・・・」
「見てたでしょ?消したんだよ。」
「・・・・・・・。」
少年から血の気が引く。と同時に、とても自分の身の丈には合わないものを相手していることへの、えもいわれぬ威圧感を感じた。
「さて、邪魔者も消えたし」
と言うか言い終わる前に、彼のその恐ろしいほどに白い手は少年を服の上から撫でていた。
「ちょっと、やめてよ、くすぐったいよ・・・」
「ん?何?またさっきみたいに泣かされたいの?」
「・・・・・・ぜんぜん人の話聞いてない・・・いやっ、あぁっ」
その手は、少年に未知の感覚を与え続けた。
「ねぇ?どうなの?どうしてほしい?本当にやめてほしい?」
「・・・ぅくっ、いやっ、嫌だよぉ・・・」
「ふーん、止めてほしくないんだ・・・ずいぶんと強欲になったもんだねぇ、それが人に物を頼む態度なのかな?」
彼はさらに少年を弄ぶ。少年は顔を真っ赤にして頼む。
ドラえもん・・・好き」
「俺もだよ、のb(以下フェードアウト



待ってなにこれありえないし必然性ないし