彼は、ただその光景を見ているしかなかった。
もしかすると、彼は見ていたという意識さえなかったのかもしれない。
ただ下衆な感情が、視線を固定させ、ただ生物としての反応が、それを止めなかったのか。


彼の隣に座っていたのは鈴原智子。このクラスの学級委員でもある。


それがいま、食われている。



この世のものとは思えない、という今はあまり使わない表現がいちばん適切といわざるを得ない、異形のものが。




先ほどから、まるでヘッドホンでもしているように頭蓋骨の割れる音、脳髄の床に落ちる音が頭に響いていた。




「これは・・・たちの悪い夢なのか?」



そうとも思えた。事実、リアリティがまったくなかった。




だが、ちょうど今自分の机に、生物の教科書を開いても名前もついていないのでは
と思えるような橙色の臓器が飛んできたときにすべてが吹っ切れた。




これが現実だとしたら仕方がない。
だが、もしそうでないとしたら。この風景が自分の意思で消去できるなら。




彼は快不快の原則にのっとりひたすら思い続けた。





「消えろっ・・・!なぜこんな理不尽なことが起きるのだ・・・消えろっ・・・!!」





すると。何もかも消えた。
鈴原とかいう女も、異形の怪物も、教科書も、机も、臓器も。








そして、彼自身も。







なぜ?


















なぜってそりゃあ、書き手の私がもうIEも閉じて、寝るからですよ。。。ヒヒヒヒヒ